9月初めの火曜、午前3時頃に米民主党大統領候補の選挙陣営スタッフが一斉にパソコンを起動させた。指名獲得レースの初戦となるアイオワ州の党員集会およびニューハンプシャー州の予備選までの数カ月間、決定的な広告スペースを押さえるためだ。未明に殺到したのは、アルファベット傘下グーグルが運営する動画共有サイト、ユーチューブが稼動させた新しい広告枠予約ツール「インスタント・リザーブ」のせいだ。彼らはライバルを出し抜き、来年2月末といった遠い先までの広告枠を獲得しようと争っているのだ。「人々は利用できるものは何でも素早く取り入れる」。ある有力候補の陣営スタッフはこう語り、自身の陣営も早期に投票が実施されるアイオワ、サウスカロライナ両州で広告枠を予約したと述べた。