やりたいこと探しの呪縛を解く
「求められていることをやる」という発想

 実は私自身、7~8年くらい前まではいまの仕事が本当にやりたいことなのか、正直わかりませんでした。やりたいこと探しをしていたわけではないのですが、「本当に自分がやりたいと思うことをやらなければいけない」という考えにとらわれていたのかもしれません。

 しかし日々、さまざまな業務に取り組む中で、関わった皆さんが喜んでくれたり感動してくれたりすることがたくさん起こるのは、転職やキャリアという分野においてでした。

 ということは、限られた時間のなかで最も私が世の中のお役に立てることは、おそらく転職やキャリアに関する仕事である。何か猛烈にやりたいことや成し遂げたい目標がないのであれば、潔く自分が求められている仕事に集中しよう。そう思った瞬間からとても気が楽になり、仕事で喜んでもらえることも増えたという実感があります。

 人間は自分がやったことに対する反応がないと、それを継続するのは難しいです。そうであるからには、自分が役に立てるのがわかっている仕事をやるのが賢明です。35歳以上、とくに40歳以上ともなれば多くの経験を積み、キャリア資産を築いているのですから、「やりたいこと」軸ではなく「役に立てる」軸で考えていったほうがいいのです。

(株式会社クライス・アンド・カンパニー代表取締役 丸山貴宏)