米監査法人の監督機関「上場企業会計監視委員会(PCAOB)」で内紛や幹部の流出が相次ぎ、投資家保護に向けた作業が遅れている。内部告発文書は、PCAOBの会長が組織内部に恐怖感を生み出したと訴えている。複数の関係者が明らかにした。PCAOB は2000年代初めのエネルギー大手エンロンや通信大手ワールドコムの経営破綻を教訓に設立された。企業の財務報告書の監査内容を点検し、監査法人を監督して投資家が上場企業の財務資料を信頼できるようにするのが使命だ。だが複数の関係者によれば、このところ幹部職の空きが埋まらず、監査の点検が遅れている。今年PCAOBが出した報告書は昨年より27%少ない。内紛などの混乱を背景に、PCAOBの現・元従業員グループは5月に8ページにわたる内部告発書を提出した。この書簡の内容はこれまで報じられていない。告発者グループは8月には、PCAOBの監督当局である証券取引委員会(SEC)にも書簡を送付した。SECの報道官はコメントを避けた。
米監査法人の監督機関、内紛や幹部流出に揺れる
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