かつては安定企業の代表格だったメガバンクも、
いまや数千・万人単位と大量の人員削減を余儀なくされている。
地銀の凋落ぶりは、もはや目を覆わんばかりだ。

なんだかんだと金融行政に守られ、
誰がやっても儲かるような護送船団方式のなかで安穏と過ごしてきた銀行に
市場競争へ立ち向かうまともな力量はない。

いまやAIや仮想通貨といったまったく異質の金融技術が、
銀行業務の独占に容赦なく襲いかかってきているのだ。

どんなビジネスアイデアも、本来は経営者の個人保証や担保がなくても、
アイデアそのものがお金を生み出しそうかどうか、「事業性」を評価して融資されるべき。

その事業性を審査する能力こそ銀行のコアスキルであるべきなのだが、それがない。

いまごろになって事業性評価に基づく融資の拡大を標榜する銀行も増えつつあるが、
これまで担保主義で融資してきたのだから、必要な審査能力は備わっていないのだ。

こぞって消費者金融を手掛けるも、焼け石に水。もはや八方塞がり。
不動産などの担保を確保して融資するという質屋のような銀行業務は、もういらない。

『もう銀行はいらない』を上梓した経済評論家・上念司氏が、
確かな見識と舌鋒鋭い指摘で、銀行業界を“筆刀両断”する。

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 【前回】からの続き

 そんな銀行に異変が起こっています。
 ぜんぜん儲からないのです。

 正確に言えば、もうずいぶん前から儲からなくなっていたのですが、ここにきてついにその痛みに耐えられなくなってきました。
 銀行業界にものすごいリストラの嵐が吹き荒れているのは、そのせいです。

 2017年にメガバンクが相次いでリストラ策を発表し、全体で3万2000人の削減が実施されることになりました。

 私が大学卒業後、日本長期信用銀行に入ったのは1993年でした。
 私と同世代のバブル期に採用された銀行員は、もうひと息で定年逃げ切りだったのに、最後の最後で「トラップカード発動」となってしまいました。

 彼らの給料は、ここ10年ほどは横ばいか微減となっています。
 次のグラフで確認しておきましょう。

 給料が減っている理由はシンプルです。
 銀行の利益が増えていないからです。
 2008年秋のリーマン・ショックで落ち込んだ銀行の利益は、ある程度は回復しましたが、全体的な基調は横ばいです。

 儲からないのには、理由があります。
 銀行のビジネスモデルは、もはや古すぎるのです。