米航空機大手ボーイングは新型旅客機「737MAX」の飛行停止でキャッシュフローが流出しているが、規制当局から年内に飛行再開の承認を得られるとの見通しを示したことで、投資家の間で幾分の安堵(あんど)感が広がった。しかしながら、投資家が真剣に懸念すべきは、ここにきて明らかになりつつあるボーイングのずさんな企業文化の実態だ。同社が23日発表した7-9月期(第3四半期)決算は、調整後の1株利益が1.45ドルと、アナリストの平均予想を3割下回った。前日には民間機部門のケビン・マカリスター最高経営責任者(CEO)の交代を発表。3月にMAXが飛行停止となって以降、初めての有力幹部の解任となった。だが、23日の米国市場で、ボーイング株は堅調な動きを示している(午後2時時点)。規制当局によるMAXの再認証が年内に得られるとの見通しを変えていないと発表したことが追い風となった。ボーイング株価は過去1カ月に12%下落している。