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レビュー

『世界にバカは4人いる』書影『世界にバカは4人いる』 トーマス・エリクソン著 中野信子監修 オーグレン英里子訳 フォレスト出版刊 1700円+税

 他人とのコミュニケーションは、いつの時代も変わらない悩みのひとつである。これは我々シャイな日本人だけではなく、世界各国の人たちが抱える問題でもあるようだ。本書がスウェーデンで85万部以上の売り上げを記録し、40ヵ国で翻訳され、世界中で支持されている状況を見れば、世界中の人が同じような悩みを抱え、本書にその答えを見出そうとしていると言うことができよう。

 本書『世界にバカは4人いる』では、人の性格を大きく「赤タイプ」「黄タイプ」「緑タイプ」「青タイプ」の4つに分類し、それぞれを分析するとともに、各タイプとのコミュニケーションにおけるヒントが紹介される。

 タイトルにある「バカ」とは、「自分とは違うタイプの人間」のことだ。タイトルだけを読めば、「自分が理解できない人を“バカ”とし、その人とのコミュニケーションにおけるストレスを緩和させる本」とも捉えられそうだ。だが読み進めると、「自分と違うタイプの人間」を批判すること自体が愚かなことだと気づかされる。相手の何かが鼻につくのは、自分のなかにも同じ要素があるからだろうし、思い通りにならないことを他者批判によって埋めることはできないからだ。

 つまり本書は、コミュニケーションの本質や人間が持つエゴを読者に気づかせてくれる良書だ。人間の特性をよく理解し、自分の考えや生き方に反映させることができれば、結果的に誰もが平和で豊かな人生に導かれるのではないかと思う。(松田義人)