相談が連絡に
すり替わる曖昧さ

 ともあれ撮影日が確定してホッとした。しかし、撮影日前日になって、担当者からメールが来た。今度は、撮影場所の変更の相談をさせてくれというのだ。

 しかしメールを読み進むにつれて、相談ではなく、変更連絡であることがわかった。当初予定の場所から徒歩10分ほどの本格的な撮影スタジオで、より広く、通常は料金も高いスタジオなのだが、当初の料金で実施させていただくと書いてある。

 そして、文末には、当初のスタジオで料金を支払ってから、変更後のスタジオへ移動してくださいという意味のことが書かれている。冒頭の「相談」は、いわば言葉のあやで、相談で始めて連絡にすり替えている曖昧なメールだったのだ。

 同社の企画は、普通のスタジオで撮影するのではなく、ソファや書棚の前で撮影するところがポイントだったはずなのだが、それが、「広いスタジオだから」「安くするからいいだろう」というアピールに、すり替わっている。その曖昧さに、相手をごまかして誘導してしまおうという意図を感じてしまう。

「○○の事情で、○月○日の撮影は、急遽、場所を変更せざるを得なくなった。場所を変更したくないのであれば別の日時となる」と明確に書いてくれれば、すり替えは起きず、悪意も感じることはなく、信頼関係に傷を付けることはない。結局、私の都合で日時を変更できず、撮影した写真を使用する計画も立ててしまっていたので、変更後のスタジオで撮影してもらった。