消費増税で小売の再編が加速するのは本当か――。10月からスタートした消費税の8%から10%への増税。増税に合わせ軽減税率、キャッシュレスでの還元が実施されており、2%即時還元のコンビニや、5%還元の中小小売店に対し、還元なしの大手小売業からは不満が噴出、増税にあたっての消費下支え策の不公平さが指摘されている。しかし、その裏で増税を契機にデフレが進み、流通の再編が一気に広がるかもしれないとささやかれ始めているのだ。(流通ジャーナリスト 森山真二)
イオン社長の岡田元也氏が
怒りをあらわにする理由
「今回のようなむちゃくちゃなことが堂々とやられた。ほとんど(政府による)暴力だ」と話すのはイオン社長の岡田元也氏だ。
消費増税にあたってキャッシュレス還元策で、コンビニで2%の還元が実施され、スーパーなど大手小売業では還元なしになったことに怒りをあらわにする。
岡田社長は「コンビニは中小小売りではない。ここ(加盟店)で得た利益は本部に行く。こんなバカな話はない。顧客不在だ」と続ける。
大手スーパーが加盟する日本チェーンストア協会でも増税前に、大手コンビニのポイント還元を利用した「ポイント即時充当は即時値引きだ」と反発してきた。