「働き方改革」で5時間労働、あるドイツ企業の成果テクノロジー関連のコンサルティング会社を経営するラッセ・レイガンズ氏(右)は勤務時間を8時間から5時間に短縮 Photo:Imke Lass/The Wall Street Journal

【ビーレフェルト(ドイツ)】ラッセ・レイガンズ氏は、フェイスブックをのぞいたり、全員返信のメールに対応したりすることで仕事の目標から脱線し、結果的に残業で幼い娘たちと過ごす時間が奪われていることに気がついた。

 そのため2017年終盤に小さなテクノロジー関連のコンサルティング会社を取得すると、大胆なアイデアを打ち出した。勤務時間を通常の8時間から5時間に短縮。しかも、給与と有給休暇は従来の水準に据え置いた。

 「社員は冗談なのか確信できない様子だった」。レイガンズ氏は当時をこう振り返る。「私が彼らを試していると考える社員もいた。だが、私はもちろん本気だった」

 同氏の会社「レイガンズ・デジタル・イネイブラー」の社員16人は午前8時に始業し、午後1時には仕事を終えることができる。レイガンズ氏は、週25時間の集中した勤務態勢と邪魔が入る週40時間の勤務態勢とでは、生産量は同じだと言い切る。

 レイガンズ氏は「オフィスでやる気が途切れ、ネットでニュースやフェイスブックをチェックして気分転換を図ろうとしても、心からリフレッシュできない状況を誰もが経験している」とし、「最初の5時間で集中的に仕事を片付け、それが終われば帰宅してきちんと休息を取るというのが私の考えだ」と話す。