他人の荷物を運ぶのはやめること

 何年も前のことですが、私はセラピーを受けて、自分が母の戦争体験という荷物を運んでいるとわかりました。

 そんなことを母が頼んだわけはなく、私が進んでそうしていたのです。

 それは、母が子ども時代、捕虜として第二次世界大戦中のドイツでとても苦労したことをかわいそうに感じていたからでした。私は若い頃から、母がもう二度と傷つかないように守ることが自分の義務だと心に決めていたのです。

 この荷物を運ぶのにかなりのエネルギーを費やしていた私は、つねに母の気分、考え、感覚、感情、不快感などを感じ取っていました。母の気持ちが揺らぐたびに、私は心配でそばについていました。 

 言うまでもなく、私は疲れ切って、結局は母をイライラさせていたのです。

 幸い、才能あるヒーラーやセラピストの助けもあって、私は、自分が母の経験に敬意を示さず、自分のものにしようとしていたことに気づいたのです。

 経験したのは母であり、私ではありません。私には、母の経験を取り消すことも、母がどう対処するかに影響を及ぼすこともできません。

 私が母の人生をコントロールするのをやめてから、母はイライラしなくなりました。その結果にホッとしましたが、母の反応を見ると、母も同じだったようです。

 同時に、母は過去を手放し、もっと現在に生きることを学びました。過去を話し、過去にとらわれるのをやめたのです。現在では、まったく自由になっています。

 私のスピリチュアルの師であるチャーリー先生は、

「身軽に旅するには、自分のことだけ心配して、他人のことに関わらないことだよ」

 そう繰り返し注意してくれました。

 他人の荷物を運ぼうとするたびに、私は問題に巻き込まれ、結局報われることはなかったのです。

 次に、あなたの人生を改めて見直すための一連の質問と、ネガティブなエネルギーを避け、問題が起こる前に回避できるようになるトレーニングを紹介します。