大麻企業の株式バリュエーションが大幅に低下しているが、これはとてつもない痛手をもたらすだろう。買収交渉にはすでに減速の兆しが現れる中、融資はまばらになり、資金調達コストは一段と上昇している。米国とカナダの代表的な大麻関連銘柄で構成する北米マリフアナ指数は、ここ1年で52%超下落した。合法な製品は価格が高く、カリフォルニア州などでは闇市場から需要を引き込むのが困難になっていることが背景にある。一方、上場企業のガバナンス(統治)問題が浮上し、投資家は大麻銘柄への投資に二の足を踏んでいる。大麻生産を手掛けるCannTrustでは、無許可の施設で大麻を栽培していた問題が発覚した。株価急落は大麻企業にとって大きな問題だ。米国では大麻は依然として連邦レベルで違法扱いとなっており、大手銀行に融資を拒まれるため、大麻企業は買収や事業拡大計画のための資金調達で新株発行に大きく依存している。例えばカナダのオーロラ・カナビスの発行済み株式総数は、今年6月末時点で10億株と、5年前の1610万株から大きく膨らんだ。だが現在のようにバリュエーションが低迷する中では、株式発行による資金調達は魅力的とは言えない。