「いえ、大丈夫」ではなく、「はい」と答えましょう

 心を開き、弱みを見せ、他人や宇宙からの愛や助けを受け取れなければ、私たちは疲れ果て、足を引きずりながら人生を歩ばねばならなくなります。

 年老いたドナルドは、一人で生きる決心をしていました。でも、30年にわたる彼のパートナーが半年の闘病生活を経て亡くなると、大きな喪失感に襲われたのです。

 愛を失っただけでなく、生活を維持するための一切を自分でしなければならなくなりました。その中には、これまでまかせっきりだったお金や家の管理も含まれていました。不慣れなことばかりだったにもかかわらず、プライドだけは高く、友人や家族からの支援はすべて断ったのです。

 やがて彼は他人との間に壁を築き、インターネットでギャンブルを始めました。

 当初はほんの少しですが儲けがあり、それで孤独が癒されたので、次第にのめり込むようになっていってしまったのです。

 ですが、それもつかの間で、その後、短期間で全財産を失いました。家の権利まで奪われ、彼は破産へと追い込まれたのです。でも、それでも彼は助けを拒み続けました。

 この話の唯一の救いは、彼がようやく壁を打ち破り、高慢なプライドを捨てて助けを受け入れたことです。

 彼は、他州に住む親族のもとへ引っ越し、再び、人生や愛や世界との関わりを取り戻しました。愛に心を開くことは、彼にとって大変なことでしたが、ぎりぎりになってそれができたのです。愛はつねに、私たちをあらゆるものから救ってくれるということを、やっと学びました。

 愛をもって自分の傷つきやすさを見つめられるようになるまで、私たちはうぬぼれの中にいます。

うぬぼれは、私たちの行く道をふさいでしまいます。

 自分の傷つきやすさを受け入れ、助けに対して心を開く際のポイントは、有能で適切な助けをお願いすることです。

 親友は好意で相談相手になろうとするでしょうが、あなたにはプロのセラピストの助けが必要かもしれません。つまり、あなたの家を塗り直す必要があるなら、友人ではなくプロに頼むことを考えるべきです。

 最善であり、いちばん信頼でき、かつ有能な助けを求めてください。自分に本当に必要なものと、自分の弱さを尊重しましょう。

 助けに心開くことに慣れていなければ、小さなことから始めましょう。

 たとえば、誰かから助けを申し出られたら、「はい」と答え、彼らの愛を受け入れましょう。

 反射的に「いえ、大丈夫です」というお決まりの反応をするのではなく、立ち止まって、自分に差しのべられている手に気づいてください。

あなたの手を伸ばして心からのつながりを作ることで、あなたは宇宙の流れに乗ることができるのです。