2025年7月、会見を行った西友副会長の大久保恒夫氏(左)とトライアルカンパニー取締役会長の楢木野仁司氏(右) Photo:JIJI
トライアルが西友の大型店を、新たな店舗フォーマットである「トライアル西友」に転換する動きが加速している。最大の目的はトライアルの商品力やデジタル技術を西友の店舗に融合させることにあるが、その裏には別の狙いがあるという。連載『流通・小売り フロントライン』の本稿では、トライアルが西友の屋号変更を進めていくに当たって、直近で示された方針転換について詳報する。(ダイヤモンド編集部 下本菜実)
着々と「トライアル西友」に転換
今後3年で30店舗を目指す
2025年7月、トライアルホールディングス(HD)は、米投資ファンドのKKRとウォルマートから、西友の全株式を取得した。
目下、トライアルは首都圏で二つの施策を進めている。一つ目は小型スーパー業態の「トライアルGO」だ。西友を母店とし、出来たての総菜をトライアルGO各店に展開することが売りだ。
二つ目が、トライアルの商品力やデジタル技術を西友の店舗に融合させた新フォーマット、「トライアル西友」への転換だ。トライアルHDは26年2月に発表した中期経営計画の中で、27年6月期からの3年間で、西友の大型店のうち、30店舗をトライアル西友に転換する方針を打ち出している。
25年11月に東京・花小金井店を転換の1号店としてオープンさせた後、着々と計画を実行している。26年2月には神奈川・武蔵新城店をオープンさせ、4月に神奈川・二俣川店が、7月には千葉・浦安店の転換を進める予定だ。
施策は奏功し、転換した店舗では業績が上向き始めた。実際、花小金井店ではオープンから2カ月の実績として、売上高が前年同期比42%増、客数は同36%増となったという。
では、狙いは売上高のアップだけなのか。取材を進めると、屋号転換と同時に、人件費にインパクトを与える「ある重要な課題」に着手していることが分かった。次のページでは、トライアルが着々と進めている施策とその狙いを詳報する。







