心身の不調は、
「メンズヘルス外来」で血液検査!

では、身体の不調を自覚した場合、どの病院を受診するのが正解なのでしょうか。

精神的な不安や落ち込みがひどい場合は、精神科や心療内科の門を叩くかもしれません。尿の調子が悪い場合は、泌尿器科に行くでしょう。性欲の減退や「朝立ち」の減少は、「もう年だから」と諦める人が多そうです。

しかし、精神科や泌尿器科に行くのは、いずれも間違いです。中高年層の身心の不調は、テストステロン不足による「更年期障害」の可能性が高いからです。

受診した医師が、きちんと「更年期障害」についての知識を持っていれば、正しい対処ができるかもしれません。

しかし、その知識がない医師であれば、気分が沈みがちだとか、ヤル気が出ないといった話を聞いて、精神科では安易に「うつ」という診断を下し、その薬を処方するケースは山ほどあります。
特に「朝立ち」の減少や性欲の減退は、40代後半や50代で起きているとしたら、実ははかなり深刻な事態です。女性の生理が20代~30代でなくなってしまうのと同じくらい危険な兆候なのです。

そういった症状がある人は、ぜひ「メンズヘルス外来」へ行ってみてください。メンズヘルス外来のほかに、男性更年期外来、男性外来……など、さまざまな呼び名がありますが、昨今は男性ホルモンに関する専門知識を持った医療機関が増えてきました。泌尿器科が兼ねている場合もあります。

ただ、泌尿器科と聞くと「ED(勃起不全)専門」と誤解している人が少なくありません。EDも男性ホルモン低下が原因であることが多いのですが、男性ホルモンの働きはもっともっと広いものです。

メンズヘルス外来を訪れたら、まずは、担当医に「男性ホルモン(フリーテストステロン)値を測ってほしい」と伝えましょう。多くの場合は血液を採取します。健康診断で行われる血液検査と同じで、少量を採取、1週間後には検査結果がわかります。そこで正確なテストステロン値がわかります。

たいていの場合は、テストステロン値が低い結果になるのではないでしょうか。というのも、男性の不調のほとんどが「テストステロン不足」だということが、世界で発表されている文献などで明らかになってきているからです。