更年期障害は女性だけのものではない
職場の女性の機嫌が悪かったり、パートナーの女性がちょっとしたことで怒ったりしたとき、心の中で「もしかして、今、生理中!?」と思ったことがある男性は多いかもしれない。確かに、毎月の月経に深く関わっている女性ホルモンは、感情にも影響を与える。
でも、ホルモンによる影響は女性だけのものではない。ホルモンは、男性にとっても、メンタル面と肉体面、その両方に大きく関係している。たとえば、男性ホルモン・テストロテンは生きる活力や仕事のやる気とも関係しているし、精力の維持にも必要不可欠なものだ。
そして、最近増えている男性の更年期障害も、ホルモンの影響によるところが大きい。そもそも、更年期とはその時期を表す言葉で、その時に起こる不調を更年期症状、日常生活が困難になるほどの症状を更年期障害という。女性における更年期は、卵巣の働きが衰えて女性ホルモンが減り、生理不順になって、なくなっていく時期をさす。男性の場合には、加齢と共に性ホルモンの分泌が少なくなってくる期間。だが、生理がない男性は、身体の中で起きているその変化に気づきにくいかもしれない。
ホルモンバランスが乱れると、頭痛、肩こり、腰痛、動悸、冷え、発汗、不眠など、さまざまな不定愁訴が現れるが、その症状のひとつひとつは、「いつものこと」と見落としがちだ。いつもはしないようなことでイライラしたり、不安を感じたり、感情の起伏が激しくなるなど、精神的な症状として表れることもあり、「もしかして、うつ…」と人知れず心配をしている人もいるかもしれない。
また、そのような症状がなくても、骨量が減少する、太りやすくなる、悪玉コレステロールや中性脂肪の量が増えやすくなるなど、ホルモンバランスが乱れることによって、生活習慣病のリスクが高まっていることを忘れてはいけない。若いときと変わらない生活、仕事のやり方、食べ方をすることで「年をとっていない」と思いたいときもあるが、それぞれ、ステージにあった方法に変えていくことで、むしろ、実年齢より若い見た目と体内年齢を手に入れられるように思う。