米軍、シリアから撤退
アフガン、イラクに続く失敗
トランプ米大統領は10月6日、シリア北東部マンビジュに最後まで残留していた米軍約1000人の撤退を表明した。
シリアのアサド政権の排除を目指して内戦に介入して以来8年余り、米国は右往左往を続け、反アサド勢力のうち最強だった「イスラム国」(IS)をシリア軍、ロシア軍などと共に攻撃し壊滅させた。
これをトランプ氏は「勝利」と誇るが、本来の目的だったアサド政権の転覆とは逆に、その存続に貢献したからオウンゴールをして「シュートを決めた」と自慢するような滑稽な結末になった。
それだけでなく、湾岸戦争後28年間米国に協力しイラクとの戦争やIS討伐では先兵として勇戦敢闘したクルド人部隊を見捨てた。
トルコ軍がシリア北部のクルド人地域に侵攻するのを黙認したことは、米国議会でも忠実な戦友に対する「裏切り」と非難された。下院では354票対60票で「撤退非難決議」が可決、与党共和党の下院議員199人中129人が賛成票を投じた。トランプ政権の大失態だ。