高尚でなくてもいいけれど、大きさや広がりは必要

あの時、彼が持っておくべきだった世界観は、「彼女との初めての食事を楽しい時間にする」ということでしょう。

あるいはもっと先を見て、「彼女と過ごす時間を今日だけでなく、将来にわたって楽しいものにする」というのでもよかったはずです。

知らないことや不慣れなことは素直に伝えて、今日のこの3時間を最高に楽しみたい −− きちんとした店なら、そんな若僧を雑に扱うことはありません。

夢や理想が込められた世界観を持ってあの晩のデートに臨んでいたら、彼女との結末は違ったものになっていたかもしれません。

世界観は高尚なものである必要はなくても、ある程度の大きさ、広がりを持っていなくてはなりません。すぐに実現するような小さな目標では、ぶれない行動の軸にはなりえないからです。

大きな世界観を持つためには、可能な限り遠くを見通すのも1つの方法です。

たとえば、ちょっとした食事会の幹事を任された場合でも、「満足度の高い会にする」といった当面の目標よりは、「参加者の満足度が高まる結果、より長期的に親密な交友関係ができる」という最終的な目的のほうが、OODAループの世界観にふさわしいと言えます。