早く失敗して、早く修正しよう

OODAループでは、何よりも速さに重きを置きます。「わかる」のプロセスでも、見たものを瞬時に、「自分なりに理解して納得する」ことが第一で、場合によっては完璧に正しく把握する必要はありません。

そもそも、現実を完全に、客観的に理解することなど誰にもできません。このことは数学者のゲーデルや物理学者のハイゼンベルグらが証明し、科学的にもはっきりしている事実です。では、どうすればいいのか。

「当たりをつける」のです。

私たちは、同僚や友人、最も身近なはずの家族の心の中でさえ、すべて見通すことはできません。だから、まずは当たりをつけて「わかる」ことが大事です。

もちろん、その理解が間違っていることは往々にしてあります。しかしそれでも、わからないがために動けないよりは、よほどましです。まず動いてみて(試してみて)、違っていたら素早く修正するという仕組みがOODAループにはあるので、安心してください。

この仕組みこそが、シリコンバレーの起業家たちがOODAループを熱心に活用している理由です。サービスや製品の完成度は二の次にして、どこよりも早くマーケットを作って顧客を獲得すれば、自分たちのアイデアや仮説が正しいのか、どこを修正すべきかを身をもって知ることができます。

フェイスブックもグーグルも、とりあえずの「わかる」を実行し、実践を通じて検証することで、現在のような圧倒的な優位を確立してきました。多くの日本企業が、正しく「わかる」ことに固執して、リサーチや作り込みに時間をかけているうちに周回遅れになったのとは対照的です。