お客様のモノやサービスへの事前期待はマネジメントできる

 実は、顧客満足は、お客様の事前期待と非常に密接な関係にあります。お客様がモノやサービスにその商品やサービスの実体以上に「過大な事前期待」を持った場合には、どのような結果が待っているでしょうか? その実体を知った途端、お客様の期待は落胆に変わり、お客様を失うことになります。

 逆に、お客様があまり期待していない場合にはどうなるでしょうか。言ってみれば「小さな事前期待(過小な事前期待)」しか持っていなかった場合は、その結果に驚き、大きく顧客満足が上昇し、リピート客化します。また、事前期待と実際の内容に大きな違いがない場合には、お客様の印象にはあまり残らず、ライバルがいなければ取引は継続することになります。

 つまり顧客満足は、事前期待と実績評価の相対関係で決まるということです。そして、顧客満足には絶対値は存在せず、常に事前期待と実績評価の関係で決まるのです。

 そして、お客様の事前期待は、時間とともに上昇する傾向があります。長い間待たされたお客様は、その商品の到着やサービスの提供を受ける前にどんどん期待を膨らませていきます。このようにお客様の事前期待は、青天井で上がっていく性格を持っていることも十分に認識しておくべきです。

 では、お客様の事前期待をマネジメントすることは可能でしょうか? 答えは、イエスです。例えば、「過大な事前期待」を持ったお客様に対するマネジメントは、妥当な事前期待にするために冷やす必要があります。このためには本音のコミュニケ-ションやお客様との契約内容の確認、お客様の当初の要求内容の確認をすることで適正な水準に戻すことができます。

 また「小さな事前期待(過小な事前期待)」しか持っていないお客様に対しては、対象となる商品やサービスの魅力を伝えるための施策が必要となります。この場合、他社との優位点や自社の商品やサービスの魅力を客観的に伝える施策が有効的です。

事前期待のマネジメントを実践すると、ライバルと差別化が可能になる

 お客様は誰でも、自分のことを考えてくれていることがわかるとうれしくなりますし、その企業やお店に対して愛着やロイヤルティが湧くものです。つまり、事前期待を適切に把握し、マネジメントすることで多くのお客様を自社のファン、場合によっては応援団にすることができるのです。特にソーシャルメディアをうまく活用することで、従来の対面のビジネスにはないキメ細やかな対応が可能になると考えています。

 次回は、「ソーシャルメディア×事前期待のマネジメント」の詳細についてご紹介します。


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