スカイラインに新搭載されたVR30DDTT型エンジンは、現在もフーガやフェアレディZに搭載されるVQ型に代わる最新V6。低温・低負荷時でも確実なバルブタイミングコントロールを実現する吸気側の電動VTCや、エンジンの内部抵抗を低減させるシリンダーのミラーボアコーティング、水冷式インタークーラーなどを装備し、排気量は2997cc。400R用は、標準モデル“300ps仕様(304ps)”に対して、回転数をいっそう緻密に管理しながらその上限を高めるターボ回転センサーや、強化型ウオーターポンプを採用。最高出力を101ps、最大トルクを75Nm上乗せした。スペックは405ps/6400rpm、475Nm/1600~5200rpmを誇る。

日産スカイライン400R足回りは(F)ダブルウィッシュボーン/(R)マルチリンク式 400Rは電子制御ダンパー標準装備

 スカイライン400Rで走りだす。即座に高いポテンシャルを実感した。電子制御7速ステップATと組み合わされたエンジンは、なにしろ低回転域が強力。1760kgの車重を意識させられることなく、“強力な電気モーターにサポートされた”かのように軽々とスタートできる。それは、アクセル線形の制御で発進時の力強さを演出した性能ではない。なぜならば、発進後もアクセルペダルをわずかずつ踏み加えれば、今度はフリクションを感じさせずに、リニアにトルク感を上乗せしてくれるからだ。

 最高出力の発生ポイントは6400rpm。タコメーター上に引かれたレッドラインは7000rpm。さすがにフルスケール9000rpmという回転計は演出過多に思えたが、高回転域になっても頭打ち感はまるでなく、回転の高まりに伴うパワーの伸びにも文句はない。排気音はいまひとつ刺激に乏しいが、エンジン本体が発する澄んだサウンドは“よくできた直列6気筒エンジンに匹敵する”と受け取れる。スポーツユニットとして見ても、魅力的なエンジンである。

 300ps仕様ユニットは、ピークパワーは落ちるものの、基本的なキャラクターは400R用と大きく変わらない。とくに街乗りシーンでのモーターの支援を受けたような力強さは同様。“世界最良の6気筒エンジンのひとつ”と、たたえたくなる仕上がりだ。

 最新のエンジンが生み出す素晴らしい動力性能に対して、ボディとシャシーに関してはさまざまな点で“古さ”を感じた。