本書の要点

(1)交渉に必要なものはRPDサイクルであり、R=準備、P=計画、D=実行を表す。一冊の「準備ノート」を用意し、RPDサイクルをまわせば、交渉で成功を手にすることができる。
(2)「準備ノート」に問題点を書き出し、解決策を記入して、優先順位をつければ、交渉の突破口を見つけ出せる。
(3)「準備ノート」を作成する最大の理由は、交渉相手と自分の「共通点」や「焦点になる言葉」を探すことであり、それが相手の口説きポイントになる。

要約本文

◆交渉成功のカギは「RPDサイクル」にあり
◇大物社長を口説く

 プロデューサーの著者が初めて企画から立ち上げまで行った番組は、『¥マネーの虎』である。この番組は、「虎」と呼ばれる5人の社長が、「アカの他人」に身銭を切って投資するという内容だ。実のところ、『¥マネーの虎』以上に、立ち上げで苦労したものはなかったという。

 最も苦労したのは、この番組に出演してくれる社長探しである。「お金を投資してほしいが、失敗したらお金が戻らない可能性がある」。こんな企画はテレビ局として前代未聞。投資する社長にとってもハイリスクである。

 しかも、土曜の深夜番組であり、高額な出演料を払えるはずもなかった。しかし、著者はこれから紹介する「すごい準備」によって、社長たちを次々と口説くことに成功した。さらには、『¥マネーの虎』は海外に輸出されるほどの人気番組となったのだ。

◇RPDサイクルとは?

 プロジェクトを進める上で、PDCAサイクルを耳にすることは多いだろう。これは計画(P)→実行(D)→評価(C)→改善(A)のサイクルから成る。

 このPDCAサイクルは、実は交渉の場面には向いていない。なぜならば、交渉というのは、Pの計画(Plan)以前に、Rという徹底した準備(Ready)を必要とする一発勝負の世界だからだ。そのため交渉に失敗してしまうと、評価(C)や改善(A)のチャンスはないに等しい。