プレゼントに、記念に、自分へのご褒美に。特別な瞬間に手に入れたいジュエリー。高額だからこそ、失敗したくない! 自分らしく似合っていて、長く使えるものを選びたい。けれど、いったい何を、どこで買えばいいのかわからない……。そんなジュエリー初心者のために、選び方や、素敵に見える着け方のコツ伺いました。教えてくれるのは、ファッション業界の、おしゃれ上級者たちも憧れるジュエリーディレクター・スタイリストの伊藤美佐季さん。その美しいスタイリングと、本当に良いものを見抜くセンスは、「伊藤さんが選んだものが、次に流行るジュエリー」と言われるほど。本連載では、著書『そろそろ、ジュエリーが欲しいと思ったら』の中から、そんな伊藤さんのジュエリー論をご紹介していきます。

ジュエリーひとつで、いつもの格好が見違える

 急に、週末のパーティに誘われた。突然、先輩の代わりにレセプションに出席することになった……。
こんな思いがけない「ハレ」がやってきたとき、まず気になるのは装いのこと。

 でも、クローゼットからワンピースを引っ張り出したら、いつの間にかデザインが古びていたり、サイズが変わって着られなかったり。長く保管している間に、素材が劣化してしまうことさえあります。これらは、洋服の宿命といえるでしょう。

とりあえず、これさえあれば!いざというとき頼りになる、一生もののジュエリーphoto by 成尾和見

でも、ベーシックで上質なジュエリーは、いつどんなときも心強い味方。たとえば、普段は仕事用にしているネイビーのワンピースも、そこにパールのネックレスを合わせれば、華やかなパーティにも臆せず足を運べる装いに早変わり。

 また、仕事帰りでくすみが気になるときも、耳元にきらめくダイヤモンドのピアスを着ければ、顔まわりがぱっと明るく華やぎます。もちろん、ジュエリーはきちんとケアしていれば、洋服よりもずっと長く持っていられますし、簡単に劣化することはありません。

何より、どんな場でも、「これを着けているから大丈夫」と思わせてくれるのは、手軽なアクセサリーではなく、ファインジュエリーならでは。心に自信と余裕を持っていると、立ち居振る舞いから素敵に見えてくるものです。

 流行の服やアクセサリーも素敵ですが、ベーシックなファインジュエリーほど、シチュエーションを選ばず、長く使えるものはありません。まずは、自分に似合って、毎日使える一生もののジュエリーをひとつ、手に入れてみませんか。いざというとき、「これがあってよかった」と思えるはずです。

伊藤美佐季(いとう・みさき)
ジュエリーディレクター、スタイリスト。ジュエリーの広報機関のPRを経てイタリア・フィレンツェに遊学、帰国後スタイリストに。つける人の個性を活かす洗練されたスタイリングは、女性誌のほか多くの女優からも支持されている。ジュエリーブランドへのアドバイス、ジュエリーに関する講演などでも活躍。