プレゼントに、記念に、自分へのご褒美に。特別な瞬間に手に入れたいジュエリー。高額だからこそ、失敗したくない! 自分らしく似合っていて、長く使えるものを選びたい。けれど、いったい何を、どこで買えばいいのかわからない……。そんなジュエリー初心者のために、選び方や、素敵に見える着け方のコツ伺いました。教えてくれるのは、ファッション業界の、おしゃれ上級者たちも憧れるジュエリーディレクター・スタイリストの伊藤美佐季さん。その美しいスタイリングと、本当に良いものを見抜くセンスは、「伊藤さんが選んだものが、次に流行るジュエリー」と言われるほど。本連載では、著書『そろそろ、ジュエリーが欲しいと思ったら』の中から、そんな伊藤さんのジュエリー論をご紹介していきます。
ジュエリーひとつで、いつもの格好が見違える
デニムでパーティもOK、職場によってはスニーカーもOK……というように、今のファッションは、以前とは比べものにならないほどカジュアル化が進んでいます。
私自身も、最近はスカートにパンプスという日はほとんどなく、スニーカーをはくことが日常的になりました。
ですが、たとえ洋服や足元がカジュアルになっても、私は必ずどこかにジュエリーを着けるようにしています。そうすることで、単なる「楽な格好」とは一線を画せるからです。
ファッション誌などで素敵だなと感じるモデルカットを、よく見てください。シンプルでカジュアルな装いでも、そこには必ずといっていいほど、小さくても効果的なジュエリーが輝いているはず。
これがあるかないかで、シンプルな恰好が地味になるか、洗練のシンプルシックになるかが決まってしまうのです。ファッションスタイリストは、ジュエリーの持つ力をよく理解した上で、そういうスタイリングをしているのです。
美容記事でよく「口紅を塗るだけで、眉を描くだけで、一気に美人に見える」なんていうフレーズを目にしますが、ジュエリーにも同じ、むしろそれ以上の効果があると思います。
普通のまとめ髪が、ピアスをひとつ着けるだけでぱっと華やぐ。いつものデニムスタイルが、ブレスレットを重ねるだけでおしゃれっぽくなる。ジュエリーがあれば、くだけた装いも一気に「洗練のシンプルシック」にクラスアップするのです。
ジュエリーというと、普段からエレガントな恰好をしている方のほうが似合うと思われるかもしれませんがむしろ逆! ラフでカジュアルな装いの方にこそ、映えるものなのです。
ジュエリーディレクター、スタイリスト。ジュエリーの広報機関のPRを経てイタリア・フィレンツェに遊学、帰国後スタイリストに。つける人の個性を活かす洗練されたスタイリングは、女性誌のほか多くの女優からも支持されている。ジュエリーブランドへのアドバイス、ジュエリーに関する講演などでも活躍。