GSOMIAは日米韓連携の象徴
それを理解しない文在寅大統領

 土壇場でGSOMIA破棄を思いとどまったことで、韓国は国際的に孤立する事態を免れた。

 これまでの韓国の発展は、日米韓の協力が基礎にあった。したがって、GSOMIA破棄による日米韓連携からの離脱は、韓国にとって居心地のいい場所をなくすことにつながる。

 すでに忘れた人も多いとは思うが、1970年代までの南北の関係では、政治、経済、外交面で韓国よりも北朝鮮の方が優位にあった。外交的にも北朝鮮と関係を結んでいる国の方が多い時期があり、経済的にも、北朝鮮には地下資源があったため、韓国よりも優勢であった。

 こうした状況を変えたのは、韓国が日米韓協力の一員として発展したからだ。半面、北朝鮮はソ連、中国の対立もあり、主体思想に基づき、自主路線で進んできた。その差が、現在の経済格差に反映されている。

 また、北朝鮮の核問題解決に協力してきたのは、日米であって中国ではない。むしろ中国はTHAADの配備を巡って韓国に報復してきている。日米が韓国を助けずして、他に韓国を助ける国はあるだろうか。

 こうした現実を文在寅大統領は理解していなかった。保守政権が成し遂げた「漢江の奇跡」を否定する人だから、日韓との連携に重きを置いていないのかもしれない。一連の騒動を経験して、日本も米国も、韓国は日米韓連携の一員なのか疑念を持つことになったが、破棄を思いとどまったことで少なくとも見放すことはないだろう。

安全保障面では日韓関係よりも
米韓関係への影響が大きい

 米国が韓国に強い圧力をかけた背景は、GSOMIAが軍事的に日韓関係よりも、米国により重要な意味を持つからだ。

 これまでGSOMIAが日韓の安全保障面で果たした役割の主なものは、北朝鮮のミサイル発射の探知と航路追跡。日韓の軍事情報共有はまだ日が浅く、韓国側の脱北者などの人間を通じた情報など、機微な分野での情報共有はそれほど活発ではなかったようだ。

 したがって仮にGSOMIAを破棄した場合、日韓が安保面で被る影響は、それほど大きくはないとの分析が主流だった。