GSOMIAを巡って逃げ場のない状況に
追い込まれ、屈した文在寅大統領
韓国の文在寅大統領は22日夕方、日韓軍事情報包括保護協定(GSOMIA)を破棄するとした決定を、土壇場になって効力停止すると決断。数カ月間のドタバタの末、協定は終了せず、効力維持ということになった。
一方、日本の経済産業省は同日、韓国向けの輸出管理強化について、韓国当局と局長対話を行う方針を明らかにした。輸出管理に関する協議は3年以上行われておらず、そのことも日本が管理を強化する原因となってきたが、韓国当局がWTO提訴を取り下げる決定を下したのを受け、二国間の局長協議を行うことにした。韓国側としては、日本と協議をすることになったと説明するきっかけとなるだろう。
ただ、今回の発表で重要なことは、GSOMIA破棄の効力停止は「条件付きではない」ということだ。韓国側はGSOMIA破棄の効力停止の決断は、輸出管理について当局間で対話するという条件を日本側が飲んだからだ、と国内向けに説明したいだろう。しかし日本側が韓国側の期待するような形の協議には応じなかったため、条件付きにはならなかったのでないか。日本の経産省は、輸出管理に関する政策対話とGSOMIAは関係ないと明言している。日本側としての協議の意義は、韓国政府が杜撰な輸出管理を改めることで、韓国側への許可をよりしやすくすることだろう。