「デモに対する支持率が低下」と語る
日本の“識者”のいいかげんさが露呈

 日本では、テレビや新聞、雑誌、インターネット等のメディアで、「識者」と称する人たちが「デモによる暴力で、香港経済や市民の生活にダメージがあり、デモに対する支持率が低下している」というコメントをすることが少なくない。しかし、それはまったく現地のことを知らない人が、日本語でいいかげんなことを言っているだけということが、明らかになった。

 香港で行われている世論調査では、民主主義を求める若者に対する支持はまったく下がっていなかった。だが、この事実は、なぜか日本のメディアで取り上げられることが非常に少なかった。

 今回の選挙で、香港市民は民主派を圧倒的に支持していることが明らかになった。「デモによる暴力」を批判していた日本の識者の皆様には違和感がある結果だろう。筆者は、彼らに言いたいことがある。

 筆者は、選挙の前に香港の「民主の女神」周庭(アグネス・チョウ)さんとSNSのメッセンジャーでやり取りをした。その際、強い印象が残ったのは、彼女が「私がこの運動が始まってからよく思うのは、民主主義と自由がある国の人たちが、自由のない生活を経験したことがないのに、『暴力はダメよ、支持しませんよ』というのは、ちょっと傲慢なのではないか」「私たちだって、暴力を使いたくないですよ」と言ったことだ。

 この連載では、中国共産党が「香港の中国化」を目指し、圧力を強めることで、香港市民が自由を奪われ、暴力を使うことでしか民主主義を守る手段がないところまで追い詰められたことを、詳述してきた(本連載第213回)。

 雨傘革命後、筆者がアグネスさんら民主派の若者たちに初めて会ったとき、彼らは「香港の選挙は『AKB48の総選挙』のようなもの。民主的に行われているように見えて、実は秋元さんが全部決めている。香港の選挙も中国共産党が全部決めている」と言い、この状況下では「暴力しかない」と訴えかけてきた(第116回)。