TikTokのロゴ
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 【東京】日本のスマートフォン向けゲームメーカーは、中国の開発会社からのプレッシャーにさらされ、ラインアップを縮小し、雇用を削減している。創造性やプレーのしやすさなどで日本人ユーザーからの支持を集めつつある中国企業が攻勢をかけている。

 国内ビデオゲーム市場は往々にして日本企業がトレンドを生み出してきたが、その業界への中国企業の進出は他国に警戒感を抱かせる。中国IT(情報技術)企業はソフトウエアや消費者向けコンテンツをはじめ、新たな分野に事業を拡大している。北京字節跳動科技(バイトダンス)が運営する動画投稿アプリ「Tick Tok(ティックトック)」の人気は、米国で既に注視されている。

 東京で財務職に就く山科拓さんは長年、スマホゲームを楽しんできた。現在はまっているのは、キャラクターが日本風のアニメスタイルで描かれた「アズールレーン」という艦船バトルゲームだ。運営しているのは上海に拠点を置く上海悠星網絡科技(ヨースター)だが、見た目からは中国企業の作品だとはほぼ分からない。

 「中国のゲーム会社は日本向けのキャラクターデザインやUI(ユーザーインターフェース)をよく研究しローカライズしている。開発力は日本の大手パブリッシャーに全く遜色ないレベルにある」と山科さんは話す。

 日本のゲーム会社幹部によると、中国企業の方がリスクや資金をいとわず、ゲーマーの獲得に迅速に動く一方で、日本の開発会社は過去にヒットした作品と同じゲームシステムにとらわれがちだという。

 「中国のゲーム開発会社はゲームプレーの仕組みに絶えず手を加えている」。ヨースターの最高経営責任者(CEO)を務める姚蒙氏は電子メールでこう述べた。「日本はモバイルゲーム売上高で世界第3位の市場であり、(この市場に)挑戦するのも良いかもしれない」

 任天堂のスマホゲームを開発するDeNAは8月、四半期利益が約半減したことを発表し、競争激化に言及した。「中国などの海外ゲーム企業も日本市場に参加してきており、国内業者だけ見ると業界の規模は縮小してきている。ヒットを生み出すことはより難しくなってきている」。守安功社長兼CEOはこう述べた。