Jリーグの海外放映権収入は3年で20数億円

 日本・中国を除く全世界の権利については入札制度を導入した。代理店・放送局・配信プラットフォームを含む15社にも上るパートナー候補とオリエンテーションを実施。うち日系企業は2社だけで残りは全て海外企業。入札を経て複数社と度重なる交渉を重ね候補を絞り込み、最終的には電通と合意するに至った。

 Jリーグにとって魅力的なオファーだったことに加え、これから海外におけるJリーグの価値を増大させていくという思いに共感をしてもらい、合意内容にもその狙いを反映できたことが大きかった。リーグ側も放送局との交渉に主体的に関わり、単純に権利を代理店に売って終わりという形ではない、本当の意味でのパートナーシップを締結することができた。

 今回合意した海外放映権合計の収益としては、3年間でおよそ20数億円(留保権利の販売による追加収益もあり得る)となり、前回(2017-2019)と比べると2倍以上に増えたが、国内の収益と比較するとまだまだ小さく、その5%に満たないレベルでいる。とはいえ、アジア戦略を開始した2012年から比較すると10倍以上に伸びており、海外でのポテンシャルの大きさを示す結果だと思う。

 欧州の5大リーグを見ても、海外放映権収益が国内放映権収益に迫る勢いなのはイングランドのプレミアリーグくらいで、先日訪問して話を聞いたブンデスリーガでさえも、海外放映権収益は国内8に対して2程度とのことであった。だからこそ、どのリーグも海外戦略に必死で、グローバル競争は激化している。Jリーグとしても向こう3年間でさらに海外における価値を高め、海外放映権収益が少なくとも全体収益の10%を超えるような段階まで早く持っていきたい。そのためにはこれから人口・経済共に成長するアジア市場の取り込みは必至であり、アジアのプレミアリーグとしての位置を確立していくことが大切だと感じている。

 イングランドのプレミアリーグでは毎週末に世界選抜vs世界選抜のような試合が繰り広げられ、世界中がそれに熱狂している。Jリーグで毎週末アジア中のスター選手がしのぎを削るような世界観を創り出せれば、アジア中にファンを獲得できる。

 2026年のFIFAワールドカップの出場国数が従来の32から48に増えることが決まった。アジアからの出場枠も広がり、必然的にこれまで出場できることがかなわなかったアジア各国にも大きなチャンスがやって来る。この時にアジアのトップ選手の大半がJリーグでプレーしている状況を創り出せるか、それが大きなマイルストーンになるだろう。

(株式会社Jリーグメディアプロモーション海外事業部 小山 恵)