2020年に開催される東京五輪において、観客が会場で撮影した動画のSNS投稿を禁ずるといった規約が大きな話題となった。莫大な放映権料を支払うテレビ局の利権を守るための規約、とも報じられており、時代に逆行しているといった批判もある。一方で、スポーツ団体・興行において最も大きな収益源となるのが「放映権料」であることも確かだ。SNSの発展により、誰でも発信者になれる今、放映権ビジネスの未来はどこへ向かうのであろうか。
英プレミアリーグの国内放映権料は表面上値下がり、背景に「Amazon」
スポーツライブコンテンツを放送・配信したいというニーズは非常に高く、その権利を争う入札合戦は繰り返され、これまで放映権料は天井なしのように上昇を続けてきた。英プレミアリーグ(英PL)の放映権料は、2016/17シーズンから2018/19シーズンまでの3シーズンで総額1兆円を超える。そんな中、英PLの次期権利サイクル(2019/20-2021/22)における国内放映権料が下がり、権料は天井を打ったのではないかと報道された。
前サイクル(2016/17-2018/19)ではBTとSkyが合計で約51.4億ポンド(約7041億円)を国内放映権に支払っていたのに対し、次期サイクル(2019/20-2021/22)では同じくBTとSkyが合わせて約47.25億ポンド(6473億円)で契約を結んだ。ただし、英PLは国内放映権(次期サイクル)を7つのパッケージに分けて販売しており、そのうちの1つを史上初めてインターネット配信プラットフォーマーであるAmazonに販売した。Amazonの契約金額は公開されていないため、実際合計金額が下がったのかどうかは不明である。それよりも着目したいのは、英PLが巨大プラットフォーマーのAmazonと新たなパートナーシップを結んだ点である。