「末梢血管」を鍛えると、血圧がみるみる下がる!Photo:PIXTA

「末梢血管」とは、手や足など末梢にまで血液を届ける動脈の末端部分のこと。この末梢血管が、血圧を左右する重要なカギとなります。実は末梢血管は、人が自らコントロール可能な血管です。このたび新著『「末梢血管」を鍛えると、血圧がみるみる下がる!』を出版した人気医師・池谷敏郎先生が「末梢血管を開いて血圧を下げる」ことの重要性についてレクチャーします。

「中心血圧」の上昇は
動脈硬化に直結する

 血圧を下げ、効率よく動脈硬化の進行を防ぐにはどうすればいいのでしょうか。その答えは、「末梢血管を開くこと」にあります。

 その仕組みを説明する前に、「中心血圧」について触れておきます。

「中心血圧」は、一般的な腕で計測する「上腕血圧」とは異なる大動脈の血圧で、通常の血圧計では測定することができません。心臓に直結する大動脈の圧であり、心臓への直接的な負荷となり、「動脈硬化」とも連動します。動脈硬化が進行しているほど血管の壁が硬くなり、中心血圧が高くなるのです。

 この中心血圧は、「末梢血管を開く」ことによって、下がっていきます。末梢血管を開くことはイコール「上腕血圧を下げること」になりますが、同時に「中心血圧を下げること」にもなるので、心臓をラクにしてあげることになるのです。そして、それはほかならぬ、ちょっとした生活習慣の改善の積み重ねで達成できるのです。