「末梢血管」を開くことで
血圧も下がっていく

 ここで「末梢血管」とは何か、ごく簡単にではありますが、説明しておきましょう。

「末梢血管」とは、手や足など体の末端の動脈のことです。心臓から全身に向けては大きな動脈が走り、それが枝分かれしながら全身へと分布し、手や足の先まで張り巡らされています。大きな動脈は25~30ミリの直径で、だんだん細くなっていき、直径3~4ミリの小さい動脈、さらに細い細動脈、さらに細かい毛細血管と分かれていきます。毛細血管となると約7ミクロン(1000分の7ミリ)です。このとき細動脈から先の細い血管を「末梢血管」と呼びます。

 身長が170センチの成人の体内には、長さ約10万キロにも及ぶ血管が走っているといわれます。これはなんと地球2回り半にも相当します。

 全身のあらゆる臓器、組織に必要な栄養や酸素を送る「末梢血管」。私たちの健康はこの血管をいかに健康に、若く保つかにかかっているのです。「血管」が健やかで、スムーズに血液を運んでくれれば血圧は安定し、動脈硬化も防げます。

 末梢血管をしなやかに開くことは、上腕血圧を下げることにつながりますが、末梢からの圧の反射を減らすことになるので中心血圧もまた低下させることになるのです。

 ところで、「末梢血管の血液の流れにくさ」のことを「末梢血管抵抗」といいます。

 中心血圧は、

(1)心臓から送り出される血液の量
(2)それを受け入れる血管の抵抗
(3)全身の血管から心臓へ跳ね返る圧

 の3つの因子で決まります。

「末梢血管抵抗を弱める」ということは、(2)の血管の抵抗を下げるとともに、(3)の心臓への跳ね返りの圧をも減じることによって、血圧を下げることに直結するのです。末梢血管抵抗が弱まる場合、上腕血圧においては、心臓が血液を送り出す圧が下がるので、血圧が下がりますし、中心血圧で考えれば、跳ね返りの圧が減じるのでやはり血圧が下がることになるのです。