米小売り大手ターゲットのブルックリン店舗では、年末商戦の書き入れ時に備えて、テレビやおもちゃが積み上げられていた。だが、開店から数時間がたっても店内は至って静か。むしろ、買い物カートを押しながら必死に店内を駆け回っているのは、店舗スタッフの方だった。ネット注文の品を棚から集め、宅配か店舗引き取りの準備を整えるためだ。小売店にとって、買い物客の行動の変化やネット通販との競争激化という新たな環境に適応することは喫緊の課題だ。ターゲットやウォルマートなどの小売り大手は、こうした新たな競争環境への対応に加え、労働市場が数年ぶりの水準に引き締まる中で、労働者の確保とコスト管理の双方を実現するため、店舗スタッフの配置を変更している。