
世界的な超低利時代
「金利水没」で投資が変わる
日欧中心に国債利回りがマイナス(水没)になるなか、世界の投資家の多くが運用に窮する「運用難民」と化している。
日本は今年後半に生じた金利低下で、10年物金利が再びマイナスになった。
振り返れば、金利低下がボトムに達した2016年7月、日本の水没は20年ゾーンにまで及んだ。その後、2018年にかけ日本銀行が金融正常化に向けた対応にかじを切り、2018年7月にはYCC(イールドカーブコントロール)の弾力化を行い、10年金利は0.1%台まで浮上した。
だが今年7月、米国FRB(連邦準備制度理事会)の金融政策が利下げに転換したことで、世界的に金利は低下、8月末にかけて世界の金利は再び、2016年以来の水準まで下がった。
その後、金利は戻しているが、「世界の金利の『水没』マップ」(次ページ・図表1)のように、依然として、日本と欧州を中心に広範な地域でのマイナス金利、いわば金利の水没状態が続いている。