大規模な反政府デモが続くイラクで1日、アデル・アブドルマハディ首相が辞任したことは、米国にとっていら立つことは多くても不可欠なパートナー国との新たなスタートを切る機会をもたらす。一方で、トランプ政権は予測不能なイラク政府の継承プロセスや、政治的な既得権益、イランとの主導権争いに直面していると、米当局者や独立系専門家は指摘する。米政権は在任中のアブドルマハディ氏について、分裂した政府内で自らの意思を主張できない弱いリーダーとみなしていた。同氏は消極的姿勢や無能さのために、イランが支援する国内の武装組織を取り締まれなかったほか、イランへのエネルギー依存から脱却するための強力な措置を取れなかった。このためホワイトハウスは不満を募らせ、ドナルド・トランプ米大統領との会談は一度も実現しなかった。
イラク首相辞任、米国の好機と難題
複雑な後任選出プロセス、イランの動向など不確定要素が多い
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