便秘で悩む人は多い。これまで4回にわたって便秘症の名医、横浜市立大・肝胆膵消化器病学教室の中島淳主任教授に便秘医療の実情について取材してきた。今回は具体的な治療法や新薬について説明してもらった。(医療ジャーナリスト 木原洋美)
便秘には治し時がある
早いうちに病院へ
「便秘には“治し時”があります。初期のうちに病院にかかり、適切な治療を受けることが大切です。自己流はいけません」と便秘症の名医、横浜市立大・肝胆膵消化器病学教室の中島淳主任教授は断言する。
では治療のプロである医師は、どのような治療をしてくれるのだろうか。
「まずは心配な病気が背景に隠れていないかどうかをチェックします。
例えば、便秘を悪化させる一代要因である「痔」、特に「切れ痔」の有無。それから大腸がん。便秘が大腸がんの原因になるという説がありますが、科学的な根拠はありません。しかし、大腸がんになると便通に異常が出てくることは確かです。女性の場合は甲状腺ホルモンの病気、橋本病の症状の一つが便秘で、バセドー病の場合は下痢になります」