米中陣取り合戦が本格化するなか、アジア各国はどちらに近い立ち位置をとるのだろうか(写真はイメージです) Photo:PIXTA

再び混迷の色を強める
米中貿易戦争

 今年8月に米国が発表した対中制裁第4弾は、ほぼ全ての中国からの輸入品に対して30%の関税をかけるという内容だ。現時点では、スマートフォンやパソコンなど1600億ドル分の製品については、歳末商戦への影響を考慮して、追加関税引上げが12月15日まで猶予されている。この関税発動を回避すべく、閣僚級協議が続けられている。

 ところが、関税発動期日を2週間後に控えた12月3日、トランプ米大統領は「中国との貿易協議に期限はない」と発言。来年の大統領選挙前の合意にこだわらない考えを示した。具体的な成果が欲しいトランプ大統領は、早期に中国との暫定合意を目指すとの見方が大勢だっただけに、突然の発言に金融市場のボラティリティは再び上昇している。

 仮に、対中制裁第4弾(関税)が発動されれば、比較的好調に推移してきた米国の個人消費への影響が懸念される。これまで米国政府は、中国製品の関税リストを作成する際、自国経済への影響を最小限に留めるため、代替が利く製品を慎重に選別してきた。これによって米国企業は、中国製品が関税分だけ値上がりしても、中国以外から代替品を調達するという選択肢が得られた。しかし今回は、中国への依存度が高く代替が利かない製品も関税の対象であり、値上がり分は米国の小売業者か消費者のいずれかが負担せざるを得なくなる。