趣の異なる複数の
エリアで楽しめる
10月19日、総統府(国家元首の公邸)前で芸術祭の開幕式が盛大に行われた。開始直前、現任の蔡英文総統が登場し、会場を沸かせた。壇上には、行政院客家委員会のメンバーや、各エリアのキュレーター(企画担当者)陣の姿もあった。
この芸術祭がユニークな点は、各エリアでキュレーターが異なることだ。芸術家の感性と各エリアの文化を、個性豊かなキュレーターたちが独自の視点で結びつける。
それはエリアごとの特色となり、あたかもひとつの芸術祭の中に、趣の異なる複数の芸術祭が納まっているかのようだ。この芸術祭の構成はまさに、様々な文化や風土を包含する台湾そのものなのである。
いくつかのエリアを紹介しよう。
まずは、日本の「瀬戸内国際芸術祭」等に出展経験もある林舜龍(リン・シュンロン)氏がキュレーションする、桃園県の龍潭(ロンタン)エリアだ。自然をいかした作品が展示されており、今回の芸術祭以降も常設展示されるものも多い。