今年の流行語大賞は「ONE TEAM]Photo:AFLO

毎年、流行語大賞を生温い温度感で見つめていた筆者。今回、原稿を書くにあたり、調べてみたところ思うところが多々あった。(取材・文/フリーライター 武藤弘樹)

 毎年なんとなくちょっとしたお祭りとなって騒がれる流行語大賞が今年も決定した。年間大賞に「ONE TEAM」、トップテンに「計画運休」「軽減税率」「スマイリングシンデレラ/しぶこ」「タピる」「#Ku Too」「○○ペイ」「免許返納」「闇営業」「令和」、そして選考委員特別賞に「後悔などあろうはずがありません」が選ばれた。

 この度編集部から「流行語大賞について何か書いてみてください」という若干無茶ぶり気味な、しかし捉えようによってはやりたい放題が許される企画をもらったので、普段あまり自分発信の意見をベースに据えた記事を書かない筆者ではあるが、取材をする必要がないのは大変楽でありがたいし、いい機会なのでぜひ流行語大賞について書き散らかしていきたい。

世相が大好きなマスコミ
流行語大賞が盛り上がりを見せる理由

 まず、筆者のスタンスをしかと伝えておいた方がフェアかと思うので最初に表明しておくと、“流行語大賞”については毎年やや痛々しい思いで眺めている。選出される言葉はどれも「その年流行した」とは言い難く、しかしそれを流行語大賞と冠して授賞してしまうところに世相とのズレが見られる感は否めない。