先月初旬、キャッシュレス決済を手掛けるPayPayが福岡ドームのネーミングライツを獲得。通称「PayPay(ペイペイ)ドーム」とすることを発表した。ネットでは「ダサい…」と賛否の「否」の声がやや多めだったが、そもそもネーミングライツの活用にはどんな効果が見込めるのだろうか。またどんな契約を結んでいるのか。トレンドや実態を専門家に聞いた。(ダイヤモンド編集部 笠原里穂)
味スタから歩道橋まで…
命名権ビジネスの実態とは?
「あれ、近所の市民ホールの名前がいつの間にか変わっている…」
そんな経験をしたことがある人も少なくないのではないか。スタジアムや文化会館といった施設を保有する企業や自治体から施設の愛称や通称の命名権を購入し、スポンサーが企業名やブランド、商品名を付ける、いわゆる「ネーミングライツ」の活用が広がってきた。
ネーミングライツに詳しい鳴門教育大学大学院の畠山輝雄准教授によると、「民間では1997年に西武鉄道が保有する東伏見アイスアリーナの命名権をサントリーが獲得(現在はダイドードリンコが命名権所持)し、公共施設としては2003年に東京スタジアムの命名権を味の素が獲得」したことが始まりだという。以後、プロスポーツ施設や文化施設を中心に、最近では歩道橋やトイレといった場所まで、さまざまな施設にネーミングライツが導入されている。