解約時に「手数料0.5%」がかかるケースもあり、
その場合は、3段階の手数料がかかることに!

 「えー!? 手数料は広告表示のラップ・フィーだけじゃないの? 運用管理費用の説明、一切なかったけど!」

 今、初めて隠れコストの事実に気づいた人もいるでしょう。

 「信託報酬の水準、ちゃんと説明しなくて良いの? おかしくない?」

 そう、おかしいのです。

 この事実を知らなければ、「ファンドラップ手数料は1.54%程度なのか」と思ってしまうのも止むを得ないでしょう。

 さらに解約時に「手数料0.5%」がかかるケースもあり、その場合ならば、なんと3段階の手数料がかかるということになります。

 ラップ手数料 + 信託報酬(+解約手数料)
 このように一見わからない手数料がかかっているのです

 もちろん、これは一例ですので、全てのファンドラップのコスト水準がこれほど高いとは限りません。

 金融庁のデータでは大手のファンドラップの手数料の平均が2.2%だというデータがありました。

 また、信託報酬の水準などをわかりやすく表示している金融機関もあるでしょう。

 しかし、ファンドラップの手数料が2段階以上になっているということを知らずに契約すると、支払うコストが多いために「思ったよりもリターンが上がらないな」という結果になってしまうのです。くれぐれも、気を付けましょう。

安東隆司(あんどう・りゅうじ)
RIA JAPAN おカネ学株式会社 代表取締役
CFP、日経CNBCなどTVコメンテーター、海外ETF専門家、立教セカンドステージ大学講師
三菱UFJ銀行で17年、三菱UFJメリルリンチPB証券(出向)、ソシエテ・ジェネラル信託銀行勤務という、メガバンク、外資系証券・信託銀行で約26年の勤務を経験。その後半はプライベートバンカーを務め金融商品の運用について熟知。販売手数料(コミッション)を目的にしない、世界的潮流である「預かり資産管理」(フィーベース)のビジネス(RIA)を行う、独立系・投資助言業(内閣総理大臣登録)を2015年立ち上げる。著書に『個人型確定拠出年金iDeCoプロの運用教えてあげる!』(秀和システム)など。WEBサイト https://ria-japan.co.jp/