2017年12月17日、暗号資産(仮想通貨)ビットコインは1万9783ドル(現在のレートで約215万円)の過去最高値をつけた。同年初めには1000ドル足らずだったことを考えれば、驚異的な値上がりだ。この「ビットコイン狂想曲」はハイテク信奉者から高齢者まで、あらゆる層を引きつけた。だが、それは長くは続かなかった。また、復活もしなかった。調査会社フリップサイド・クリプトによると、11月最終週のビットコイン価格は7000ドル程度。発行済み残高1800万枚のうち、活発に取引されているのは約14%にとどまる。2018年10月時点では、この割合は50%を超えていた。ビットコインなど仮想通貨の黎明(れいめい)期に業界にあふれていたエネルギーは消え、金融の世界標準を構築するにはコンピューターコード以上のものが必要だとの厳しい現実に直面した。