企業が業績予想を発表するのは、足元の今期の決算についてのみ。できればその先の決算期の予想も知りたいところ。連載「ダイヤモンド 決算報」の「19秋」企業業績・全体像編の第5回では、「19夏」に引き続き、最新決算を基に証券アナリストの予測を集計し、3年後に伸びる企業ランキングを作成した。(ダイヤモンド編集部編集委員 竹田孝洋)

再建途上の東芝が採算重視の受注でトップ
コンテナ船事業統合効果で日本郵船が3位

「ダイヤモンド 決算報19夏」に引き続きアイフィスジャパンのIFISコンセンサスデータを基に3年後(3期先)の業績を予想し、ランキングを作成した。

 同データは一つの企業に対して2人以上の証券アナリストによる予測をアイフィスが集計したもの。証券会社21社に所属するアナリストの予測を基にしている。

 具体的には、次々期(2021年10月期~22年9月期)の予想営業利益を、前期(18年10月期~19年9月期)の実績営業利益で割って増益率を算出し、その増益率の高い順に並べている。いわば「3期先に伸びる企業の順位」である。

 トップの東芝は再建途上にあるが、採算重視の受注方針や人員削減の効果もあり、業績が上向いている。20年3月期の営業利益は、前期比約4倍の1400億円になるとみられる。アナリストの予測の平均では、22年3月期には1767億円に達する見通しだ。

 2位はオリンパス。過去の不正会計絡みの訴訟の和解金などの費用がなくなったことに加え、主力の内視鏡やカメラが堅調で利益水準が回復している。20年3月期の営業利益は、前期比約3倍の900億円となる見込み。22年3月期は1322億円とさらに拡大するとみられる。

 商船三井、川崎汽船とのコンテナ船事業の統合効果が出ているのが3位の日本郵船。運賃の回復で採算が改善している。22年3月期の営業利益は19年3月期に比べて3.7倍の407億円にまで膨らむと予想されている。

 次の「19秋」企業業績・全体像編第6回では、3期先の予想利益を用いてPER(株価収益率)を算出し、3期先の割安株の企業ランキングを掲載する。

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