「ストレス爆発」が問題になっている。NHKの特報首都圏という番組で、これを防ぐ取り組みなどを特集して話題になっている。

 ストレス爆発とは、自分の中にストレスを溜めこみ、いきなり他人に向って爆発させ、攻撃に及ぶというものだ。最近、駅などで見ず知らずの人にホームに突き落とされたり、ナイフで刺されたりして被害に遭う人がいる。

 これらはストレス爆発の被害にあったのだ。

 もしストレスを爆発させないでいると、その人は心身が壊れてしまい、引きこもりになったりする。

 あるIT会社ではストレスのため休職者が十数名も出ていた。重大な経営問題だ。そこで古民家を借りきって、普段接触しない部署のメンバー数人で2泊3日の合宿をさせることとした。メンバーで一緒に食事を作り、食べ、飲み、語り合う。共同生活、共同作業を通じて、お互いを認め合うことで、ストレスが解消される効果を期待したプログラムだ。

 この結果、休職者はゼロになったという。

 先日、友人が子どもと話しながら歩いていると、突然、前から歩いてきた中年女性が「うるせぇんだよ! このガキ!」と、叫んだ。びっくりした友人は、慌てて子どもを抱え込んだ。子どもは恐怖に顔を引きつらせている。今にも泣き出さんばかりだ。

 中年女性は、血走った目で、ぶつぶつ言いながら通り過ぎて行った。

 友人たちが幸せそうに歩いている姿を見て、怒りが爆発したのだろうか。それ以来、子どもが散歩を怖がるようになったという。

天長地久

 3・11の巨大地震、津波、原発事故。人々は自分の生存を脅かされた。それに加えて消費税引き上げ、原発再稼働、不況、賃下げ、リストラ…。まったく先が見えない状況に、ストレスを溜めない方がおかしい。