NYのブロードウェイ ・ミュージカルを語る上で欠かせない「TKTS」というサービスがある。TKTSは、その日の公演のチケットを公式に割引して販売するディスカウントチケットストア。同サービスは2019年8月末に日本に上陸している。果たして観劇文化の希薄な日本において、TKTSは「その日、気軽に、エンタメを楽しむ」きっかけとなるだろうか。(清談社 ますだポム子)

思い立ったその日に買える
チケット代は最大半額に

TKTSの店舗ニューヨークを訪れたことのある人なら見覚えがあるだろう赤い看板が「TKTS」の目印である 写真:岩田えり(以下同)

 急に予定が空いたとき、映画館へ行く人は多いだろう。料金が2000円程度で、自分のスケジュールに合わせて上映回を選択できる映画は、気軽に足を運べるエンタメだ。

 ところが同じ状況下でも、「ミュージカル」を鑑賞することは容易ではない。舞台芸術などのライブエンタメは、往々にして公演が始まる数カ月前にチケットの販売が開始される。人気の演目であれば、発売と同時に完売することも珍しくない。映画のように、思い立ったその日に見られるような気軽さはないのだ。なにより、映画に比べて高額なチケット代は、たとえ当日券があっても躊躇する理由となる。

 チケットを公演日のはるか前に購入しないといけないことと、料金が高すぎること。この2点は舞台やコンサートなど、ライブエンタメ全般に共通するネックだろう。ところがNYのブロードウェイでは、これらの問題点を解消し、気軽にエンタメを楽しめるサービスが展開しているという。それが「TKTS」。TKTSではその日の公演のチケットが、20%~最大50%にまでプライスダウンされ、お得に購入することができるのだ(ただし、一部チケットは定価)。