この入社してから3カ月という期間には、経営者は採用した転職者に対し、口には出さなくても「この人を採用して本当に良かったか?」「私の目に狂いはなかったか?」と絶対に注視しているものです。まれに放置してしまう会社や経営者もありますが、それは例外的。

 焦る必要はまったくありませんが、経営者が注視し、周囲の社員も「まずはお手並み拝見」という状況の中、3カ月以内に成果を出せるとそれ以降のアドバンテージは大きくなります。経営者からは「私の目に狂いはなかった」、周囲の社員からは「あの人はすごい」と認識されるのですから、その転職は“ほぼ勝ったも同然”になるのです。3カ月以内に成果を出す姿を見せられれば、その後に多少うまくいかなくても「そんなこともあるだろう」と、あまり評価は下がりません。

 しかし、逆に最初にあまり成果を出せず、「この人、大丈夫かな?」とクエスチョンを付けられてしまうと、後が大変です。

 周囲から実力に疑問符を付けられた環境ではなかなか活躍が難しくなりますし、一度落ちた評価を挽回するのはとても大変です。それこそ入社3カ月以内に出すべきだった成果以上の結果が必要になるでしょう。

「まず様子見」は失敗のもと
スタートダッシュが転職の正否を決める

「新しい環境に来たのだから、まずは様子見しよう」と考える転職者がいますが、これは大きな間違いです。もちろん周囲の様子を見る必要はありますが、それはじっと様子をうかがう姿勢ではなく、自分が積極的に動きながら周囲の様子も見るという形になります。

 特に転職経験のないエグゼクティブの中には、「最初は様子を見て、徐々に慣れてペースを上げていけばいい」という姿勢が見られる人もいますが、のんびり構えている暇はありません。初日くらいは仕方がないかもしれませんが、大事なことはスタートダッシュです。従来とは異なる環境で、3カ月で成果を出すのは想像以上に大変です。