2016年に、僕はプロツアーのポイントランキングで総合2位でした。1位は韓国の Infiltration選手。プロツアーでは決勝で3度の直接対決がありました。1回目、2回目は負けて、3回目にようやく勝てたのですが、総合ポイントでは彼には結局及びませんでした。

 そこで翌年の2017年はポイントランキング1位という目標を立てました。ちょっと背伸びした目標ではあるものの、使用キャラの豪鬼がトップクラスの性能を維持していたこともあり「やってやれないことはない」と挑戦することにしました。 ところがこの年も2位。2017年はアメリカの新鋭Punk選手が猛威を奮った年で、ランキング1位は彼のものとなりました。
 そして3年目の2018年、3度目の挑戦で、僕は1位を勝ち取りました。

目標が具体的だと自動的にやることが決まる

 例えばこれがポリシーそのままの「『格闘ゲームっていいもんだな』と伝えたい」という目標であったとします。目指すところは素晴らしいのですが、何をもって格闘ゲームの面白さを知ってもらうのか、基準があいまいです。

 さらに、結果的に「伝わったかどうか」の評価も僕の一方的な主観に頼らざるを得ません。「ポイントランキング1位」という数字を入れた目標であれば、達成できたか達成できなかったかも明快です。いうまでもなく、ランキング1位になるには、優勝回数を増やさなくてはなりません。優勝とそれ以外ではポイントも賞金も大きく異なるからです。