病的な独り言は
「見た目」で判別できる

 独り言は、疲労がたまっているサインなのだ。こうしたヘルプの意思が少しでも確認できた段階で心身を休ませれば、リカバリーは容易といえる。しかし、SOSを見過ごして放置してしまうと、どんどん精神的負担が蓄積し、取り返しのつかないことになりかねない。

「精神にストレスがかかりすぎると、適応障害、うつ病、統合失調症などの病に発展する恐れもあります。こうなると独り言は、その人のコミュニケーション上のクセや、疲労のシグナルではなく、病気の症状となるのです。ここまでいくと休養だけでは改善しないので、医療機関を受診する必要があるでしょう」

 では、通常の独り言と、病気の症状としての独り言は、どのように見分けたら良いのだろうか。

「ポイントは、独り言を発している人の表情や身なりです。乱暴またはネガティブな独り言を言うような状態も相当危険ですが、本人の様子が普段どおりであれば病気ではないでしょう。もし、能面のように無表情で、喜怒哀楽もなくなり、身なりが普段よりすさんできていたら、なんらかの病気にかかっている可能性が高いと考えられます」

 常に無表情でボーッとしながら、ブツブツと独り言を話している。そんな状態になってしまうと、もう職場内では手に負えない。なんということのない独り言が初期症状、内容が凶暴化したら中期症状、加えて見た目にも異変を感じるようになったら症状は後期、病的な域まで進行しているといえる。小声でボソボソと独り言をつぶやくようになり、末期になると、もはや言葉を発さなくなるという。

 独り言の内容の悪化は、病気か否かの線引きとして、いささか曖昧だ。しかし、内容があまりにも支離滅裂だったり、1人なのに誰かと会話しているようだったり、発言すると同時にニヤリと笑ったりしていれば、統合失調症の疑いが強いという。