職場のコミュニケーションが
早期発見に有効

 また、他人の発言を繰り返すような独り言の場合は、自閉症スペクトラム症、アルツハイマー病の可能性も。こうした場合は早急な受診を要するため、話す内容の変化も完全に無視はできないと理解しておこう。

「少しでも早い段階で『この人、最近様子がおかしいな』と異変に気付けば、悪化を食い止めることができます。そのためには、相手の健常な状態を把握しておくことが重要といえます。普段の状態とどのように違うかが、異変を見極める指針となるからです」

 たとえば、普段から少しズボラな人がひげをそらずに出社してきても、さほど驚きはないだろう。しかし、毎日欠かさずにひげをそる人が、何日も、整えもせずに生やしっぱなしであれば、何かあったのかと心配になるもの。とはいえ、変に深入りしすぎることは望まれない。そのため、異変を感じた相手が普段とどのように差があるのか、それを正確にキャッチすることが重要となる。

「職場でのコミュニケーションを増やし、お互いのことをある程度知っておくのが理想です。互いについて深く知る場にはならなくても、他人と話す機会が増えれば、各自が自分を客観視するきっかけにもなります。たとえば、毎日4時間しか寝ていない人は、自分の睡眠時間が短いということに、なかなか気付けません。異なった状況の人と話すことで、『4時間睡眠って短いのかも…』と、自分の生活を省みることができるのです」

 自分が健康かどうかは、自分1人だけでは分かりづらいもの。自省の効果も期待できるため、時々は職場で、私生活に関する話を同僚たちとしてみるといいだろう。