そもそも本省の課長級の職に就くのは
容易ではない

 そもそも本省の課長級の職に就くのは、府省による違いはあるものの、容易というわけではない。

 ある省では、本省で課長級分掌職になり、他府省に出向し課長級分掌職、また本省に戻っても課長級分掌職、そしてまた出向してやっと課長級、いくつか課長級の職を歴任したものの本省には戻れず、独法出向といったように本省の課長級の職に就くことができずにずっと外回りという例もある。

 また別の、大きな地方組織を持っている省では、地方支分部局の部長(と言っても本省では課長級か課長級分掌職相当)や都道府県への部局長としての出向、さらにはたまたま霞が関に戻っても、本省ではなく他府省への出向と、ずっと本省に戻れず衛星のようにその周りをグルグル回っていたという例もある(地方支分部局や地方公共団体のポストをグルグル回ることを、「地方ドサ回り」呼ぶようだ)。

 当然のことながら、府省による違いはあるので押し並べてこうであるというわけではないが、本省の課長級ポストにたどり着くのがいかに困難であるのかお分かりいただけたと思う。そして、その本省の課長級ポストをすっ飛ばして官房審議官という人事がありえないものであることが改めてご理解いただけたのではないだろか。

ありえない人事は
省内からの「恨み」の対象になる

 こうしたありえない人事は、当然批判の対象となるのみならず、特に省内からの「恨み」の対象になったとしても不思議はない。

 事実、今回の情報の出元も厚労省内であるとの話もあるくらいである。

 では、なぜ「ありえない人事」が行われたのか?

 この辺りに今回の一件の真相が隠れていそうである。

 最近では秋元司衆院議員を巡る疑惑や、総務省の事務次官の突然の辞任劇とかんぽのあり方問題がマスコミをにぎわし、本件はその陰に隠れてしまっている感があるが、ことの進展次第で大坪氏はどう遇されるのか、ありえない人事の結末に注視したいところである。