事前期待を把握し、お客様をファンにする
さて、サービス提供の結果、お客様が感じる顧客満足は、この事前期待とどのような関係にあるのでしょうか? それは、お客様の事前期待と実績評価(結果)との相対関係で決まると考えられています。
つまり、事前期待を実績評価が上回ると「これはすばらしい!」ということになり、リピート客化やクチコミが期待できます。また、事前期待を実績評価が大きく下回ると「あー、損した!」とがっかりされ、お客様を失いかねません。
事前期待と実績評価がほぼ同じであれば印象が薄く、何もなければそのままサービスが継続利用されることになります。お客様のことを深く理解し、何を望んでいるのかを把握したうえで、適切なレベルに事前期待をマネジメントしていくことがとても重要だと考えています。
バーチャルな世界のソーシャルメディアには、リアルの世界にはないメリットも数多く存在します。
まず、情報の拡散性が挙げられます。リアルの世界の口コミに比較して拡散の範囲とスピードが異なります。ソーシャルメディアの種類によっては、拡散を促す機能、たとえばリツイート機能をうまく使うことで、押し付けでない自然なかたちで情報の拡散が期待できます。
また、ワン・トゥ・ワンでお客様にアプローチすることができますので、お客様の趣味嗜好に合わせた個別のアプローチが可能になります。リアルの場合ももちろん可能ですが、より多くのお客様にアプローチが可能です。
そしてソーシャルメディアによっては、利用者のプロフィール情報を見ることも可能です。ここは、情報の宝庫です。お客様の経歴や趣味、出身地などさまざまな情報を「タダ」で入手することができるのです
また、過去のお客様のつぶやきを検索することで、お客様の行動履歴(発言履歴)を見ることも可能になります。このようなことは、従来のリアルビジネスではあり得ない話でした。
モノやサービスが飽和した時代に、ライバルに圧倒的な差別化を図りたい企業は何をすべきでしょうか?
やはり、成功のためのカギは、共感性を発揮して、お客様のことを深く理解し、何を望んでいるのかを把握したうえで、まず事前期待に応えることが重要です。そして必要に応じて適切なレベルに事前期待をマネジメントする必要があります。
お客様は誰でも、自分のことを考えてくれていることがわかるとうれしくなりますし、その企業やお店に対して愛着やロイヤルティが湧くものです。つまり、事前期待を適切に把握し、マネジメントすることで多くのお客様を自社のファン、場合によっては応援団にすることができるのです。
次回は、「まずは、お客様から注目される存在になる!」と題してソーシャルメディア活用の基本についてご紹介します。
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