ソーシャルメディアを使うだけではダメ!

 ソーシャルメディアと従来のマスメディアとの大きな違いは、マスメディアが企業や行政からの一方通行のコミュニケーションであったことに対して、ソーシャルメディアは、両者が対等な双方向のコミュニケーションが可能になることです。このお客様との関係の変化をどのようにとらえたらよいでしょうか。

  ある経営者は、消費者からのクレーム対応を恐れてソーシャルメディアの活用に消極的になるかもしれません。また、別の経営者は、顧客との対話の場が拓かれたと喜び、社内にその活用を奨励するかもしれません。そしてコミュニケーションの仕方によっては、購入前のお客様とも友だちのような関係を構築して親密なコミュニケーションをすることが可能になったのです。

  しかし残念なことに、せっかく双方向のコミュニケーションツールでありながら、ソーシャルメディアを従来のマスメディアと同じ使い方しかしていないケースが見受けられます。

  たとえば、自社のセミナーをツイッターやフェイスブックで告知する際に、一方的に告知だけして、そのあとのフォローを一切していないようなケースです。

  「来月、クラウド時代に相応しい当社の最新技術○△×を導入した新しいサービスを紹介するセミナーを東京ビックサイトで開催します。ぜひ、お越しください」

  ただ、このように告知に使うだけでは、従来のマスメディア(たとえば、メール広告)となんら変わりません。本来は、ソーシャルメディアのよさを活かして、対話を触発するような気の利いたコメントを追記することが求められます。

  「@xxxxx先ほど、ご紹介したセミナー、実はクラウドの世界では第一人者の雲野さんが飛び込みでパネルディスカッションに登場されます。みなさんも、ぜひディスカッションに参加してください!」

  人と人とのコミュニケーションですので、やはりワクワク感が大切ですね。味気のないつぶやきでは、たくさんの情報の中で埋没してしまい、無視されてしまいます。開催するセミナーの魅力をお伝えするだけでなく、そのセミナーの内容についてつぶやいてくれた方の情報をリツイートや引用コメントすることはもっとも初歩的な戦術です。